虫歯とは
虫歯はお口の中にいる虫歯菌(主にミュータンス菌とラクトバチラス菌)が糖質を栄養源として酸を発生させ、歯を溶かすことをいいます。
糖質はご飯やパン等炭水化物にも含まれているので、甘いものを食べてないから虫歯にならないというわけではありません。 虫歯菌の数は人によって違い、虫歯菌が少ない人ほど虫歯にはなりにくくなります。 また、唾液の量、性質、歯並びなどによっても虫歯のなりにくさは変わってきます。
むし歯は放置しておくと、どんどん悪化していってしまいます。
歯が痛む、冷たいものがしみるなどの違和感を感じたら、早めに治療を始めましょう。
また、治療が終わったからといって再び元の生活に戻ってしまうと、むし歯を再発させる可能性があります。お口の健康を長く維持していただけるように、ぜひ治療と共にメインテナンスにもご来院ください。
なぜ虫歯になるの?
虫歯は4つの要素が重なって発生します。「虫歯菌」、「糖分」、「時間」これに加えて歯や唾液の質などの「宿主」の条件です。
虫歯の原因菌は多く存在することがわかっていますが、その代表はミュータンス菌とラクトバチラス菌です。それらの菌は、栄養素として糖(スクロース)を取り込み、増殖していきます。
そして、酸を産生してエナメル質を溶かしていくのが、虫歯の正体です。
エナメル質はpH5,4以下の状況になれば溶けていくことがわかっているため、お口の中をそれ以上の環境にしていれば虫歯にならないことになります。
また、虫歯はだいたい1ヶ月で発生することもわかっています。
そこで、酸性に傾いたお口の中を中和するのに役に立っているのが唾液です。
唾液には、殺菌作用の他に緩衝作用、洗い流し作用、希釈作用などがあり、いったん溶けかけたエナメル質を正常な状態に戻す(再石灰化)のに大きな役割を果たしています。
当院の虫歯治療について
当院の虫歯治療は、できる限り神経を取らなくて済むような治療を大前提として行います。
小さな虫歯であれば、虫歯を適切に除去し、つめ物やかぶせ物で治療を行うことができます。大きな虫歯の場合でも、「深い虫歯=神経を取る」のではなく、可能な限り歯の神経が残すことができるよう治療を行います。
治療の痛みに対する医院の配慮について
治療の際に痛みが出来る限りないよう配慮をおこなっております。
① 歯茎の表面に塗り薬の麻酔を塗っています
麻酔を打つ部分の歯茎の表面に塗り薬のジェル状の麻酔を塗ります。 表面麻酔を塗ることで、麻酔の針をさすときの「チクッ」という痛みの感覚が軽減します。
② 麻酔の際には一番細い注射針を使っています
太い針よりも、細い針のほうが痛みを感じにくいというのはイメージして頂けると思います。 当院では、麻酔が痛くないように「35G」という一番細い注射針を特別に取り寄せて使用しています。
③ 電動の麻酔器でゆっくり麻酔液を入れます
急いで麻酔液を注射してしまうと、その圧力で痛みを感じたり、体調が悪くなってしまう場合もあります。 当院では、コンピュータによる自動制御のできる電動麻酔器を使い、痛みを感じにくいスピードで注射しますので、感じる痛みがかなり少ないと思います。
麻酔が効いたことを確認して治療をはじめます。麻酔を行ってからすぐに治療を始めてしまいますと、麻酔がきちんと効いていなくて痛みを感じてしまうことがあります。 当院では、麻酔が効いたことをしっかりと確認してから治療に入ります。
虫歯の進行と治療について
エナメル質に限局した虫歯をC1、象牙質までの虫歯をC2、神経までの虫歯をC3、歯の頭が全てなくなっている虫歯をC4といい進行度によって分類されています。
C0:初期う蝕
虫歯の初期段階で、エナメル質が少し溶け、白く濁り、溝が茶色くなったりします。
再石灰化することで、正常な歯に戻る場合があります。
治療法:適切なブラッシングを続け、フッ素塗布で治る場合があります。
C1:エナメル質う蝕
エナメル質が溶け、茶色または黒くなり、小さな穴が空きますが、 まだ痛みはありません。
再石灰化は難しいですが、この状態の治療としては、歯を削る範囲が少なく済みます。
治療法:虫歯の箇所を削り、レジン(歯科用プラスチック)を詰めて治療します。
C2:象牙質う蝕
象牙質まで虫歯が達している状態で、象牙質は柔らかいため、急激に虫歯が進行します。
ここまでくると、冷たいものや甘いものがしみるたりします。
治療法: 虫歯の箇所を削り、インレー(詰め物)やレジン(歯科用プラスチック)を詰めて、治療を行います。
C3:歯髄に達したう蝕
歯の神経(歯髄)まで虫歯が達している状態で、 神経に炎症が起きるため、ズキズキとひどく痛みを感じます。
治療法:虫歯に冒された神経を除去し、神経が入っていた根管内を消毒し、薬剤を詰める根管治療(歯の根の治療)を行い、クラウン(被せ物)を被せる治療を行います。
C4:う蝕で歯冠が崩壊した状態
歯の上部が全部溶けてしまい、ほとんど根だけが残った状態で、さらに炎症が進行すると神経が死んでしまい、痛みがなくなります。
この段階までくると、抜歯しか方法がないことが多くなりますが、ケースによっては歯周外科で残せる歯もあります。
治療法:多くの場合、抜歯が必要ですが、矯正的挺出や歯冠長延長術などにより歯を残せることもあります。
抜歯になった場合は、ブリッジや入れ歯、インプラントなどで失った歯の機能回復を図ります。